◆T-2　Q ：どうして歯を抜くことになってしまうのでしょうか？その判断基準は何処にありますか？

A ：基本的に患者さんも歯医者さんも歯を残したいと考えていると思います。
それでも不幸にして歯を抜かなければならないと歯医者さんは断腸の思いで判断しなければならないことがあります。その理由は至ってシンプルで、二つに集約されます。

①歯の根が折れるなど、治療しても痛みが取れない場合
②放置すると他に悪影響が及ぶ場合

①について…
虫歯が大きくなり神経を取ってしまった歯は噛む力に耐えられず割れることがあります。割れるとその空間に細菌が繁殖し炎症が起こるので痛みと腫れがひどくなる事があります。基本的に大きく割れた歯は固定ができないので、痛みを取るには歯を抜くしかない場合が多いです。

②について…
痛みがなくとも抜かないとダメな歯は大抵歯の周りの骨が細菌感染により炎症を起こしています。放置すると隣り合っている歯を支える骨にまで炎症が及び、共倒れしてしまいます。
上顎の歯の場合はさらに炎症がひどくなると鼻の穴の奥にまで病気が進行し、歯性上顎洞炎（俗称ちくのう症、青っぱなが止まらなくなる病気）になってしまうことがあります。
下顎の歯の場合は顎が腫れたり、骨が吸収して骨折したりするリスクが高くなります。
これら、今は健康な部分が一緒に壊れるリスクがある場合は痛みがなくとも抜歯を勧めることが多くなります。

何事にも例外はあります。当院では処置前に必ず詳しくご説明をしますが、抜くと歯は戻ってきませんので、ご納得いただいてからの処置をお勧めします。