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“歯を残すオタク”だなぁと思うこと

2022.01.27(木)

マニア、オタクとか個性的と言う表現は私が学生の頃は否定的な響きのする言葉でした。
最近はエンスーな存在は、趣味人とかいわれ、一つの価値観として定着しているようにも思います。
ここのところ、患者さんによく話していた内容に
「人間の体の一部（である所の歯）に費用対効果という表現を使うのはどうかとも思いますが、正直この歯をそれだけの時間をかけて治療しても、期待するほど長くは持たないかもしれない、それでも頑張って時間をかけて通院されるなら治療をしますよ。当然、通常以上の時間は医院の収入としては割にあいませんが、歯科医師として、“しっかり治療すればこの歯がどれだけもつか？”と言うことには非常に興味があるからです。」
と言うものがあります。

こう言われて、普通は『ええ？、酷くない？どんな状態で黙って治療して100%の結果を出すのが歯科医師だろ？』と、思われる方も多いと思います。
と言う開業当初の私がその考えで、明らかに無理目な歯の治療を患者さんの望む望まないに関わらず、時間をかけて力一杯治療していました。（一般の人をマニアの自己満足に付き合わせていたわけです…）
結果、理解が得られなかったことが数件有りました。

しかし私も初石の地で開業させていただき6年半、前述の“無理目だけど興味あるから良かったら治療しますよ？”的な発言を笑いながら受け入れてくださる方が多く、不思議とこの話をするようになってから、悪い治療結果がでることが無くなりました。
もちろん患者さんも人間、施術する歯科医師も人間なので、100%の結果などはあり得ませんが…
おそらくどんな世界でも
オタク（歯科医師）はファン（患者さん）に支えられて存在しているんだろうなぁ、と思うこの頃です。